
ーーまずは、tetoru自治体連絡機能の導入検討に至った背景を教えてください。
教育委員会では、主催や共催する行事のチラシを保護者の皆さんに届ける際、業者さんから届いた紙を学年・クラスごとに仕分けし、学校を通して児童生徒に配布していました。市内には小学校11校、中学校4校、特別支援学校1校の計16校があり、1回で3,500枚ほど、多い時には週2回以上の配布もありました。先生方にとってこれはかなりの負担で、「紙がまたこんなに来た」と感じる心理的なストレスもあったと思います。そうした状況を変え、教職員の業務を軽くすることが導入検討のきっかけでした。
ーー比較検討の中で、tetoru導入を決めた理由をお聞かせください。
自治体連絡機能を使えば、チラシ配布にかかる教職員の負担を減らし、働き方改革につながると考えました。また、教育委員会から直接、学校や学年を指定して対象保護者に連絡できる点が非常に便利でした。もともと須坂市では、欠席連絡などでtetoruを活用していたため、保護者の皆さんにも馴染みがありました。アプリを追加する必要がなく、スムーズな定着が実現できた点も大きかったです。
ーー実際の運用や配信の流れを教えてください。
事業者や主催団体からデータを集約し、内容を確認したうえで毎週金曜日に一斉配信しています。配信対象は学校や学年ごとに絞ることができ、「小学校1・2年生向けイベント」など精度の高い配信が可能です。イベント案内以外にも、熊の目撃情報などの安全情報、児童クラブ登録受付や修学援助の案内など、幅広い情報を保護者に直接届けています。デジタル化のおかげで、紛失や伝達もれの心配がほとんどなくなりました。
▽ 須坂市から保護者へ実際に配信しているイベントのお知らせ画面(※保護者側の画面です。)


ーー導入による現場の変化や反応はいかがですか?
紙の束を仕分ける作業がなくなり、教職員の負担は大幅に軽減されました。事務職員の方からも「tetoruを導入して本当に助かっている」というお声をいただいています。こうした負担軽減によって、先生たちに少しでも“心の余裕”が生まれればと感じています。正直なところ、小さな変化かもしれませんが、「またこんなに配らなきゃ」と感じるストレスが減ることは、精神的な面で大きな意味があると思います。この期待をもって、今後も継続的に活用していきたいと考えています。
ーーコスト面に関してはいかがでしょうか?
具体的な数値はまだ集計中ですが、印刷費や紙の仕分け作業にかかっていたコストは確実に削減されています。イベントを主催する関係者の方からは「印刷代がなくなって助かった」との声もたびたび届いています。これは市の経費削減のみならず、地域全体の業務効率化・コスト削減にもつながっていると実感しています。
ーー今後のtetoru活用について、どのようにお考えですか?
部活動の地域移行などの場面では、保護者の意見を集めることが重要になります。そうした際には、連絡配信にアンケートのURLを添付して保護者の声を効率的に集める方法を積極的に取り入れていきたいと考えています。
「誰のためにDXを進めるのか?」を考えた時に大切なのは、現場の教職員が仕事をしやすくなることに加え、保護者に必要な情報を確実に届ける環境をつくることだと考えています。tetoruは、そのための確かな一歩になっていると感じています。